前衛仙術

 ここのところ新作映画をみていない。去年はあやちゃん出演の映画とムラケンさんの映画を見ただけ(ムラケンさんのはテレ東の番組の上映だっけか・・)。三年前に見たゴダールの「アワーミュージック」と、尊敬する師匠、金井勝さんの「スーパードキュメンタリー 前衛仙術」以降、強烈な映画体験をしていない。時間が止まったままだ。きっと、すごい映画は続々生まれているだろうに、何も知らない。知ろうとしないでいると、何も知らないまま時間は流れてゆくのだな。何も知らないということは、とても不安なことに感じる。結局知りたいことは自分の内側から生じるものでしか知ることが出来ないような気もするけれど、そこで完結しちゃったらどうなっちゃうのよ自分?と恐ろしく思うことのほうが多い。慌てる。いろいろ、慌てる。
 あらゆる可能性を予測しておくのは、自分が傷つくのを防御するためのものだけでもあるまい。予測不可能な可能性があるからこそ、発見があって、知れて、楽しいのではないか。諦念することではなく、あらゆることに真正面からぶつかってゆくことが出来るしなやかさを身に着けることができたらどんなにいいだろう。毎回玉砕だろうけどさ。いや、それだけでもあるまい。と、希望を持って生きるのだ。
 温泉入ってしぼんできます。