月の裏側を歩く

夏目漱石虞美人草」を読んで、頭を抱えてしまった。社会的なルールから逸脱した人間ってのは、悲劇的なかたちでルールに殺されるんだな。なんとなくやんわりとやり過ごすのが基本的なルールなのだろう。しかしそれが出来ない人間のことは、道徳でもって処刑する。悲劇の基本形態。ルールの中で生きるのには、矛盾の存在に気付かず平気でいられる相当な鈍さを要するのは当然のことか。