幻燈辻馬車

山田風太郎先生の「幻燈辻馬車」を読み終えてやっぱり号泣してしまった。干兵衛、そんな気はしてたけど、ほんとにそっちにいっちゃうのね・・。山田風太郎先生はギャグのセンスに優れたエンターテイナーだがたまにすごくセンチメンタルなのでそこがたまらなくいい。恋や夢を語らう青春のわずかばかりのキラキラ眩しい幸福な時間が、運命という残酷な悲劇で幕を閉じ、そこにたしかにあったはずの幸福な時間すら憎悪によって失われてしまう。センチメンタルすぎてやるせないけど、私そういうの大好物だからたまんねえべ。幸せだったのにねぇ、なんでこうなっちゃうんだろうねぇ、と、しくしく泣いてる。ベタなメロドラマ好きにはお勧め。っていってもベタなメロドラマの最高峰です。ちょっと油断すると志ある若者たちの愚かな末路に撃沈させられちゃう。それもまぁ、ベタなんですけど、とてもいい。
まさに「人間はおかしくて悲しい」。。。。って、ファーゴ公開時のコピーだっけか。