賜物

 「ヤマンバ」といわれた色素の抜けた髪にまっ黒な肌、油性ペンで目の周りを黒く塗り、ポスターカラーで唇を白く塗っていた10代女子がうようよいた数年前、彼女らがナオミキャンベルを目指してああなったことを知り、どうしたらそうなるんだと度肝を抜かれたのだけれど、ちかごろの女子高生は黒髪白肌にうるうるグロスでみんなガッキー系モテを目指しているのだとしたらそのほうがとてもさみしいと思う。あのヤマンバは、ひょっとしたらゆとり教育から偶然生まれた賜物だったのかもしれない。だとしたらゆとり教育は日本の文化の一時代を築いたことだし、あながち間違っていなかったとも言える。
 もしかしたら逆で、ゆとり教育が合理的なガッキー系モテを作ったのかもしれない。どっちだろう。どっちでもいいや。
 30代独身女性の婚活番組を見ていたら、写経するOLの会があった。写経って死刑囚がするもんだと思っていたから驚いた。