さすらい

「有りがたうさん」をさいごに見てから時間が経ってるので記憶を捏造している可能性大ではあるのだが、有りがたうさんは売られてゆく好きな女をミラー越しに見ながら(上原謙演じる有りがたうさんはバスの運転手)、売られた先で彼女がいたぶられる姿を想像してこいつ勃起してやがる、と映画を見ながら思っていた樋渡です。
「アントニオーニってイタリアンネオリアリズモやってたっけ?」と突然牛越君に聞かれ、「『さすらい』は多分ネオリアリズモでアントニオーニ」と言ったら、「『さすらい』つくっといて『太陽はひとりぼっち』とか『BLOW−UP』とか作れちゃうなんてアントニオーニって天才なんだね」と、牛越君が寝ぼけながら言った。なんかせつなくなった。