変な話

いろいろやること溜まってるんだけど、なんもやっていない気がする。そうやってたくさんのことやり残して一生終えるのかと考えるとなんだか慌てる。
二三ヶ月前に、テレビでテルマ&ルイーズがやってたから久々にみた。90年代はじめの感覚が伝わってきてなんだか哀しかった。テルマもルイーズもいまの映画だったら死ななくて済んだのになと思った。
久々に実家かえったら変な話きいた。
実家の団地の前の道を、いつも徘徊している25歳くらいのかわいい女の人がいて、母親がその道を通ると、その女の人は何時もいて挨拶を交わしていたらしい。朝の6時に犬の散歩にいっても、昼の3時に早く仕事から帰っても、夜11時に飲んで帰っても、春夏秋冬いつも道にいたらしい。たまにタバコの吸殻を拾って吸っていたらしい。そしてたまに、泣きながら電話ボックスからどこかへ電話をかけていたらしい。
ある日、見かけなくてどうしたんだろうと思ったら、その翌日、近所の人から、その女の人が団地の中の酒屋の前で心不全で死んでいたと聞かされたそうだ。25歳くらいだと思っていたら、実際は40歳になったばかりだったそうで。数年前に重度の精神病を患っていた母親が死んで、いまは父親と二人暮らしだったそうで。私の母親は彼女のことを何も知らなかったのだけれども、近所中では有名人で、その彼女の隣人によると、彼女は酒乱の父親から日常的に性的暴行を受けていて、裸で家から「助けて!」と飛び出してきたことが何度もあったそうで。公衆電話でどこかへ電話していたのは、警察に助けを求めて通報していたのだそうだ。しょっちゅう警察が来ては、父親は、娘は統合失調症で被害妄想があると説明して、警察をおいやっていたそう。
しかし、近所の人は、その父親が、いつも彼女に何をしていたか、叫び声やらなにやらでわかっていたそうで。
いま思うと、彼女を何時でも道でみかけたのは、父親から逃げるためだったんだなぁ、わかってたくせに何もしなかった近所の人たちが理解できない、自分がわかってたら助けたのに、と、私の母親が悔やんで泣いていた。
つい先日の話らしいんだけど、そんなことってあるのかと驚いた。