アメリカ つづき

昔、悩みを抱えた日本人の10代の女の子がアメリカへ憧れを抱くっていう話のシナリオを書くことになり、その主人公の女の子が初めて渡米したさい、自由の女神を見たり、ニューヨークの最先端のクラブに行ったり、片言で外人と話したりして、世界はこんなに広くて自由で希望に満ち溢れているのに、日本という島国の卑小さに閉じこめられていただけの自分がなんてちっぽけな存在なんだということに気付き、いままでの悩みなど瞬時に吹っ飛んでしまう、というね。。主人公と同世代ではありましたが海外旅行くらいで一瞬でもそこまで純真かつ短絡的になることなどまるでない私と主人公の間にはおおきくひらきがあったというのはさておき。まぁようは、楽しい旅行だったんだね、よかったね、ってことなんでしょうけど。その後の主人公(実在していた)の末路を思うと切ない話ではあるんですけどね。
で、ニューヨークの最先端のクラブってなに?
具体的にニューヨークの最先端のクラブの中身が書かれていない原作であり、もちろんロケハンなど不可能、ネットでの情報収集も出来なかった時代(パソコン持ってなかった)、アメリカはデヴィッド・リンチの映画とアメリカンニューシネマくらいの情報しか持ちえていなかった私は(そりゃまたとびきり極端だった)、ニューヨークの最先端のクラブというものが微塵も想像できなくて、ええい、ままよと勢いで書いたらニューヨークの最先端のクラブが、テンガロンハットにウェスタンブーツを身に着けたマッチョなカウボーイのゲイの発展場になっちゃったんですよね。カントリーミュージックがんがんの。
ボツでしたね。